たまねぎ屋読書感想

2018年4月18日 (水)

三島由紀夫「音楽」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今回は三島由紀夫の「音楽」です。

精神分析医の汐見の元に現れた不感症に悩む美しい麗子、その麗子に惹かれる男たちとのお話です。
かかった事がないので実際の治療はどんなかわかりませんが、こんがらがった糸をほぐすように汐見は治療にあたるも、ひらりひらりと本心を隠す麗子、自分でもわからない自分が誰にでもあるのかもですね。
欠けたピースを見つけた時、訪れるのが幸せならよいのですけど。

ドロドロと、重たい泥の中に浸かっているような麗子の心に読んでいて沈みます。
ここで言う「音楽」に最初はちょっと笑っちゃいましたがね、確かに美味しいもの食べた時音楽鳴る感じしますね。

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2018年4月 8日 (日)

江戸川乱歩「一寸法師」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今回は江戸川乱歩「双生児」より、「一寸法師」です。

わたし実は江戸川乱歩すごい好きなんですよ。
原色ケバケバしくおどろおどろしいのに、ひどく美しいのです。
こちらはかの有名な探偵明智さんが出てきまして、ただの令嬢失踪事件かと思いきや、謎の生き物が事件を複雑にしていくのです。
この事件の本質は何か?
事件を追う恋する小林君がチャーミングです。
時代背景もあり、現代では考えられないような表現となっており、描く方も悩みます。

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2018年4月 5日 (木)

「十五少年漂流記」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今回はジュール=ベルヌの「十五少年漂流記」です。

有名な児童文学ですので読んだ方も多いかと思いますが、大人になってから改めて読むと、超絶過酷ですね。
ニュージーランドの十五人の年齢様々な少年を乗せ、船は漂流し、嵐に遭い無人島に流れ着きます。
少年たちは時にいがみ合いながらも、生き残るため知恵を絞り、秩序を作り自分たちの世界を作ります。
野生の恐ろしい動物たちが出て来ますよ。
無人島での穏やかな季節に冬の凍える寒さ、それぞれ瑞々しく描かれています。

新年度はじまりましたし、どんなとこにも世界はあるので、少年たちのように力を合わせよりよい状態にしたいものです。

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2018年3月28日 (水)

「バラバラ死体の夜」




気持ち切り替え、たまねぎ屋読書感想イラスト、今回は桜庭一樹さんの「バラバラ死体の夜」です。
とても物騒なタイトルがついてますが、中身もなかなか物騒です。

「借金」が元で狂っていく男女の話です。
だらしない美女沙漠と翻訳家吉野、何人かの目線で語られる乾いた日々、そこから抜け出したい沙漠が痛々しくて辛くなります。
泪亭の大家がとても良い味を出していて、「帰ってこい、二階のメス猫」とかかわいいつぶやきです。
沙漠みたいに無知であるが故不幸が訪れるのはよくあるので、反面教師よろしく気をつけようと思えます。
お金に幸せにしてもらってはいけないけど、お金は大事ですね。
わたしがんばって働きます。

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2018年3月 5日 (月)

梨木香歩「f 植物園の巣穴」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今回は梨木香歩さんの「f 植物園の巣穴」です。

この作家さんの作品そう読んでいるわけではないのですが、とにかく隅々まで清潔で美しい文章です。
植物園の巣穴に落ちた園丁の佐田さんの過去を巡る物語で、登場人物も摩訶不思議、歯医者の嫁は犬だったり、大家は鶏だったり、歩く魚、カエル少年はかわいく愛おしいです。
ムジナモが絡んでいたような心が解放され、ラストはお日様で乾かされたような気持ちになります。
そして、歯医者を選ぶときは慎重にならねばなりませんよ。

前から読みたかった一冊でしたので、読めてよかったです。

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2018年2月24日 (土)

松本清張「共犯者」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今回は松本清張短編集「共犯者」です。

こちらはちょっと時代背景が古いので、ピンとこないとこもあるでしょうが、いつの時代も人間の本質は変わらないものかもですね。
表題の「共犯者」も、ある人間と犯罪を起こし、成功したが相手がそのままで終わるのか心配で心配で堪らない男の話です。
他にも「恐喝者」は間違っているとわかってても止められない男の話ですが、この話は実に切ないです。
「愛と空白の共謀」は、本来決して共感できない相手同士ですが、ある事により誰よりも深く繋がる話ですね。

サスペンスはさくっと読めるのがよいです。
長編も良いですが、短編もシンプルでお薦めです。

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2018年2月15日 (木)

夏目漱石「門」




たまねぎ屋読書感想イラスト、バレンタインで実った恋にぴったりな、夏目漱石の「門」です。

漱石先生のこちら、夫婦の愛情を描いたラブストーリーなんですよ。
宗助とお米、過去にはいろいろあったけど、季節の花、朝夕の食事、日常を繰り返し、共に生きているのです。
互いに互いが必要で、それで完結している、それでよいのですよ。
後半は禅の話になりますが、味わい深く美しい文章はさすがの漱石先生なのです。

ラブストーリーとはちょっと言い過ぎな感はありますけどね、苦しい恋の先にあるものが辛いものでは救われないのです。
時代的に堂々とできるものではなかったけど、あなたといると幸せ、それが全てであってほしいです。

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2018年2月 2日 (金)

井上ひさし「ブンとフン」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今回は井上ひさしさんの小説処女作「ブンとフン」です。

フン先生の原稿から抜け出した大泥棒ブンが世界中を巻き込む大騒動、記憶に貞節、盗めないものは何もない、なんでもござれで悪魔まで出て来ちゃうのです。
井上ひさしさんらしいアップテンポで、ブンも男だったり女だったりでとにかく愉快痛快進みます。
この本挿し絵が入ってるのですが、ちょっと引っ張られますね。
フン先生の作品はほんとに傑作なのか?気になるところです。
そんなアホな、と笑い飛ばして読んでいただきたいです。

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2018年1月14日 (日)

「千里伝 武神の賽」




たまねぎ屋読書感想イラスト、わたくし大好きな仁木英之さんの「千里伝 武神の賽」です。

千里伝三作目の今回は、ほんとうに読んでいて辛いものでした。
強さとは何か?互いに高め合い成長してきた千里とバソンと絶海でしたが、絶海が心の弱さにつけ込まれ堕ちていきます。
千里とバソンの納木湖のくだりは幻想的で美しくて一番好きな箇所です。
武を志すそれぞれが切磋琢磨し、主人公たちばかりに目が行きがちですが、脇も等しく清くまっすぐなんです。

友達が迷って苦しんでいる時、どうしたらいいのでしょうね?
わたし自身人に相談しない頑固タイプなので、頭から否定せず、ただ時々気にかけてくれると嬉しいですから、わたしも友達にそんなことくらいしかできないですね。

それはともかく、千里伝四作目も買ってあるのですが、最終巻なので辛くて読めないのです!

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2018年1月 6日 (土)

「宝島」




たまねぎ屋読書感想イラスト、今年最初は世界的に有名で、子供心を踊らせるスティーブンソンの「宝島」です。

宝の地図に導かれ、少年ジム=ホーキンスの冒険の旅は始まります。
恐ろしい海賊たちとの戦い、仲間との葛藤、万華鏡のようにコロコロ変わる船乗りシルバー、置き去りベン=ガンといい、とにかく一つ一つ魅力的です。
正直素直で間抜けな海賊たちのが親しみがある不思議ですね。
どちらにつくか、自分ならどうする?と、わくわくしながら読んでいただきたいです。

子供の頃読んだはずでも忘れちゃうものです、大人になってからでも楽しめる良作です。

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